わたしの出会った子どもたち
『兎の眼』『太陽の子』で有名な灰谷健次郎氏の自叙伝的一冊。
みずからの生い立ちや、価値観の形成にかかわった人々との交流を描いたもの。
いまよりも、死が身近にある時代があった。
人生はままならないものだ、というどうしようもない絶望が、いまよりもずっとひとびととの間に漂っていて、時折ひとのもとへと降りてくる、そんな時代があった。
差別が当たり前に横行する時代があった。
そんななかでも希望を見出し、退廃せず、前を向いて生きていくのは、子どもたちであった。
教師とは、子供から学ぶ存在である。
教員として在るものに手に取ることを強くお勧めする、ひとりの人間の地に足ついた文章がつづられた一冊。
一節を引用・
「一所懸命に勉強しようとしている子どもと、いたずらしてやろうという子どもと、対し方を使い分けるような器用さがない。」
こういうことばに、僕は目をむいてしまう。
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