火花

お笑い芸人又吉直樹さんの出した、芥川賞受賞作品。

駆け出しお笑い芸人の主人公と、その数年先輩の芸人ふたりの織りなす物語。
タイトル通り、火花のようにふたりの人生は進んでゆく。

いくつもの小噺のような物語があり、毎回予想した展開を優しく裏切られる。その優しさが心地よく、まるで又吉さんの手のひらの上で転がされてるような気がするのである。その転がされ方の気持ちが良さは、お笑い芸人という仕事で必要なスキルがそのまま使われているのだろうな、という気さえしてくる。とにかく、物語を熱中して読んでも、離れたところから俯瞰して読んでも、ちゃんと面白いのだ。丁寧に作ったことが感じられる。

あっという間に読み進んでしまう1冊。
はかなく、そしてお笑い芸人を応援したくなる一冊でもある。
軽くて楽しい物語を求めている人にはぴったりの愛ある一冊だ。

本を読みたくなったら

蔵書を軽く紹介しています。

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