プロジェクト・ヘイル・メアリー(上下)

世界の話題を席巻したアンディ・ウィアー著のSF小説。


何を語ってもネタバレになるので書きようがないのだが、物語は現在時点の時間軸描写と、過去時間軸描写が交互に繰り返されながら、読者視点における謎がひとつずつ解決されていく。一章ごとに謎が2つ増え、1つ解決されていくような流れが続き、後半に進むにつれてたくさんの謎が明かされていく快感がある。


筆者の描写によるものか翻訳によるものかは分からないが、物体や構造の記述に少し難があり、想像が難しい部分がいくらかあるが、読み進めていけばそれが物語の本質に関わりがないことに気づいていけるので、あまり気にせず進んでいただきたい。


さまざまな事象や問題を科学的知識を使って解決していくSF特有の快感もさながら、ヒューマンドラマとでもいうような物語の展開が、どこか第三者目線で見てコミカルかつシリアスに見えるような書き方がされており、それが本書の面白さの本質なのではないかと思える。


SFに慣れていなくても、理系知識に乏しくとも楽しめる気楽な一冊。

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