海辺のカフカ(上・下)

村上春樹氏の長編小説。


15歳の少年が主人公であるが、さまざまな場所でさまざまな物語が同時並行的に描かれ、最終的に一つのシーンとして帰結する形の小説である。


小説世界全体が幻想的イメージで描写されるため、キャラクターや世界設定は機能目的的に登場し、読者はその設定の謎を追うように読み進めていく形となる。ある種ミステリー的な読み心地のある作品である。


男女関係が男性目線的に描かれることが多く、また性描写が異様に多い。展開に古典文学的な匂いもあり、作中でも語られるように、「メタファー」が多重に重なった構造が感じられる。


夏にどっかり小説世界に入り浸るのにおすすめな一冊である。

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