科学史の核心
NHK出版から発売された、世界史と科学(技術は含まない(まだ科学と技術が強く結びついていない時代))の歴史を丹念に述べていく一冊。
時代は17世紀の清教徒革命ごろから始まり、ニュートンの光の変容説やプリンキピアについて述べたのちに、イギリス王立協会、パリ王立科学アカデミー、解析力学のラグランジュ、ラボアジエ、エコール・ポリテクニクなどと話題は展開していく。
のちにカルノー、ワット、アメリカの誕生、ランフォード伯爵、ドイツでの熱放射研究による量子力学の誕生、そして現代へと繋がっていく。
話題の骨子は幅広くカバーしているが、一本一本が骨太で、特に世界史説明部分の手の抜かなさが良い書き味となっており、それが全体の理解に大きく一役買っている。
まるで一つの大きな人類の足跡を辿るような読み心地があり、文章に書かれていること以上の感動がある。とはいえ抒情的なものを目指した本ではなく、世界史に通ずる人にも科学に通ずる人にとっても「起きたことを追える本」として多いに役立てられるはずの一冊である。
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