静電気を科学する
静電気という現象について、抽象的ではなく具体的な事例とともに解説してくれる一冊。
どちらかというと工場やオフィスなどの現場の人向け。
静電気という現象は原理的に説明しようとすると数式や構造的な知識が必要になってくるので、それらを抜きにして説明しようとしている。
しかし具体的事象として静電気の発生について考えると、環境雰囲気、絶縁度、電圧、形状などあまりにも多くの要因が関わってくるため、超個別的事例について触れて回るしかなくなる。その事例をできるだけ整理して紹介する、というのがこの本のざっくりとした紹介になる。
書かれたのが2011年ということもあり、当時まだ静電気を気にして接触しなければ破壊されてしまう電気素子があったことが窺い知れる。理系学生が静電気現象について抽象的に理解するには向いていないが、多くの個別具体事例を見識とともに解説してくれるので、ある種ニッチな需要のある本と言える。
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