吉田松陰1・2 山岡荘八氏版

1987年初版の時代小説。


日本の多くの幕末志士たちの師として名高い吉田松陰の劇的な30年間を描いたもの。適宜史料を参照しながら、その間を山岡氏の巧みな想像が埋めてゆく作品。


87年のものなので、言葉遣いはほとんど現代と変わらない。だが筆致は極めて質実なもので、不要な軽快さや重厚感を持たせたりしておらず、非常に読みやすい。

ただし後半に行くにつれて筆者の熱が高まり、特に「神風の吹く日本国」的なイデオロギー的書き方が目立ち始める。それを気にせず通り過ぎて仕舞えば、松陰がどのような人生を歩んだかについてがよく学べる一冊である。


彼が教師として心に留めおいた姿勢ができるまでの過程をなぞれることは非常に面白い。

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