先生、どうか皆の前でほめないでください
集団の中で、周囲と違う人間だということが露見してしまうことを極端に恐れるがあまり、何も自分で決めることができなくなってしまっている現代の若者たち。(2022発刊)
そんな彼らの生態や起源について触れながら、分析を重ねていく一冊。
非常にシニカルな本でもある。実際に30歳よりも若い人が読んだら、嫌な気分がするかもしれない。あまりに率直すぎる書き方がここにはある。
ワークライフバランスの意味が「がむしゃらに働いたり、人並み以上に努力したりしないこと。また、その努力を軽蔑すること」になっている若者。大人たちはそれにどう立ち向かって行けばいいのか。若者は「待っていれば大人が焦り出して結局なんとかする」ことを知っている。
若者は年上の打算に敏感だ。そのために若者はそれに乗っからないという態度に出るが、それは両者とも損、という状況である。そのような若者は社会に出てすぐに圧倒されてしまう上に、自分の人生すら決められなくなってしまっているからだ。
どうするか。
若者は、大人が「どうするか」と悩んでくれるのを待っている。
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