木を見る西洋人 森を見る東洋人
東洋人の学生が、西洋人の教授にこう言った。
「いいですか、先生。先生と私の違いは、私はこの世界を円だと思っていて、先生は直線だと思っていることです。」
「私は物事はたえず変化しながら結局は元のところに戻ってくると考えます。さまざまな出来事に気を配り、物と物との関連を探ろうとします。全体を見ずに一部だけを理解することはあり得ないとも思っています。」
「それに比べて西洋人が生きているのはもっと単純でわかりやすい世界です。東洋人とは違って、彼らは全体の状況ではなく、目立つ物や人に注目します。対象の動きを支配する規則さえわかれば、出来事を思い通りにできると思っているのです。」
この言葉から始まった本書は、東洋人と西洋人の認知プロセスの違いを種々の実験を通して説明します。
これだけ認知プロセスや文化的常識が異なるとすると、初対面の両者がスムーズに意思疎通を行うことは不可能に近いのではないかと思えてきます。
西洋人が書いた本なので、「東洋人はこういう風に考える。」という書き方の傾向は若干みられますが、それでもかなり中立な立場から両者を解説してくれています。
興味のあるひとは試しにどうぞ。
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