三体II部 黒暗森林

世界的SF大傑作、三体シリーズの第二部。

この本の物語に関することは、いかなる内容であってもネタバレに繋がるので、具体的な内容を書くことはできない。いやできるが、したくない。
この本の中に、ひとつの世界が現実感を持って存在している。著者は、その世界の動向を書き記してくれる観察者であり、翻訳者であるようだ。
少なくとも、そう感じさせるほどの客観的な筆致をしつつも、自然はエロティックに生命力をもって描かれていく。
このリアリスティックさは、著者の「話の流れ」の造形による興奮から生まれるところが大きい。つまり、著者の意図した順番を無視して内容を語ることは積み木の支えの一つを外すに等しいことなのである。

ここは詳しいコメントを差し控えたいが、それはつまり、そうしたいほどこの物語は素晴らしいものであり、皆様にもその出会いを大切にして欲しく思っているということである。この本が読める時代に生まれて幸運だと思える本の一冊だ。


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