三体X-観想之宙-
三体シリーズのスピンオフ作品。作者は宝樹氏で、三体3部「死神永生」が刊行されてからなんと1ヶ月の間に書き切ったとのこと。
インターネットに連載していたところ絶大な人気を獲得したため出版が決まり、世界各国で翻訳されている。今回も和訳は三体公式シリーズと同じ大森氏が務める。
全体的に3部の空白部分を埋める内容となっており、登場人物も公式と同じだが、舞台背景の設定増しやエンディングの続きは宝樹氏のオリジナルとなっている。
書き味に物書き初心者という感じはあまりない。魅せ方や展開の臨場感、風景描写など、様々面で劉慈欣氏とは違いがあるものの、一冊の本としてはきちんと成立している。
三体世界ロスの人には慰めとなる一冊。
公式を強く支持し、細かい違いが気になる人には恐らく向かないが、戯れに読むには非常によくできたスピンオフである。
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