センスの哲学
千葉雅也氏の著作の中でも、小説を除いて特段に一般向けに書かれた一冊。
センスとは何か、を彼の専門分野であるジル・ドゥルーズで言うところの「生成変化」「差異と反復」「脱意味」のあたりのワードに対応させながら分解して構造を探っていく。
主旨としては「センスとは何かを知ることで、みんなが肩の力を抜いて芸術を楽しめるようになろう。そして、ゆくゆくは誰でもが制作者側に(視点だけでも)立てるようになれば、それはきっと豊かなはずだ。」というところである。
主に「遊びによる自己の拡大」と「境界線問題」「報酬予測誤差に対する統計学的な対応の姿勢」あたりが主題となる。
分かりやすすぎず、分かりにくすぎない程度の強度で書かれているので、トライするには充分楽しいものになるはずの一冊である。
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