クジラと話す方法
ある年、海でカヤッキングをしていた男性と女性が、ブリーチング(水面上に飛び上がって背面からダイブする行動)をする鯨に突如として遭遇した。そしてそのまま、男女は鯨に押し潰されてしまった。。。
この本は、その男性がそのクジラと何らかの形でコミュニケーションを取るために現代技術を駆使していく過程を描いたものである。
ネタバレにはならないので述べておくが、本書で結末は迎えられない。いまだにクジラと意思疎通を図ることは達成されていないのである。当時から現代に至るまでの行動生物学の発展や、鯨に限らずさまざまな生物同士のコミュニケーションを研究する学者や、著者が各地で各研究者を訪れる記録譚などがエッセイチックな様子で描かれる。
専門知識がなくとも楽しむことができ、科学的な知識を扱ったトピックもほとんど出てこないように描かれているので、誰でも現代の(2023年ごろ)研究最前線の様子を理解することができる。
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