能力はどのように遺伝するのか
タイトルのように、ヒトの持つ様々な能力は、どのくらい遺伝によって決定されるものなのかを明らかにしようとした一冊。
まずは能力の定義に始まり、またそれが非常に社会的な要素を含むものであることにも触れながら、実際の研究結果について語られていく。
よくある「能力か環境か」という安直な二元論を決定するような議論ではなく、「遺伝の結果、生活においてどのような表現形となりうるか」を主眼に考察を進めていく。
実際に現実的な側面もきちんと語られるが、ここで安易に要旨を書いてしまうと誤解をする人が多くなることが予想されるので、あえて触れないでおくが、遺伝というものは確かにある。だが、全てが決まるわけではなく、当然ながら、それがヒトの運命を決定づけるには、遺伝という要素はとても小さいことが研究からも示されている。
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